ファンの美学
ひとつの仕事が突然終わってしまった。
何も知らされていなかった。当たり前に続くと思っていた。
まだ今日のことなので、心の整理がついてない。
辛い。
生半可な気持ちで高いお金を出してるわけじゃなかった。
だからってわたしはリア恋じゃないし、何か見返りを求めていたわけでもない。
ただその場所へ向かう道が楽しくて。帰り道にはまた次の機会に想いを馳せて。
そんな道程を、日常の一部を失うのが本当に悲しかった。
もう一度言う。断じてリア恋じゃない。関係ないという人もいるかもしれないが私には彼氏もいる。リア恋じゃない。
けどあまりにも急すぎた。どうして気づかなかったんだろう。沢山のサインを出していてくれてたはずなのに。
どんなにお金を出して応援しても所詮一ファンでしかない。
当たり前のことなんだけど。その辺はすごくドライ。
でも誰にでも温度差のない同じ対応で、丁寧な彼が好きだ。
今の私のこの気持ちは完全にエゴだってわかってる。
でもこの我儘なエゴは、現場の特性をわかっていてもこの終わり方を納得しようとはしない。
なんて馬鹿なんだろ。
始まる予感がしてた次のお仕事だって、今のお仕事のシフトを避けて予定組んだりして。
本当に落ち込んでるしめちゃくちゃ悲しいけど、
幸せなんだろうな、わたし。好きな人にお金が使えて、
僅かだけれど少しの見返りがもらえて。
その時間が本当に幸せだった。
先週のサプライズだって彼はとっても考える人だから、タイミングも見計らってあんなことをしてくれたんだと思うんだ。
体の調子を教えてくれたりヒントもくれてた、何も考えられずにエゴを前面に押し出してたのはわたし。
全部気づけなかったわたしの落ち度だし、
でも今回のことは落ち込むようなことじゃないはず。
わたしは大好きな彼にお金を落とせて幸せだった。
それは今日で終わってしまったけれど完全におしまいになったわけじゃない。
彼の仕事は続く。やりたいことはまだあと1年続く。
これが彼の新しい第一歩。
そう考えると、応援しなくちゃ、気力が湧いてくる。
向こうは割り切るのが仕事。
ならファンも割り切ってお金を払うのが義務。
落ち込む暇があるなら働いて稼ぐ。
彼が私にくれたほんの少しの見返りを、優しさを、どんな形にできるか考える。
それがファンの、私の美学。
ひとつのお仕事が終わりましたね。
今まで本当に感謝しかありません。次の仕事も頑張ってもらいたいです。